ひざの痛みでよく聞く「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」とは?
日本人の平均寿命は男女ともに80歳以上と長生きされる方が増え、「ロコモ(ロコモティブシンドローム)予防」の大切さが注目されています。年齢を重ねても、元気に生活するために気をつけたい、ロコモについてチェックしてみましょう。
ロコモってなに?
毎日の生活の中では、「立つ」、「歩く」、「しゃがむ」、「跳ぶ」など、色々な動作を繰り返し使っています。これらの動作は、骨・筋肉・軟骨・神経・じん帯・腱(けん)などがしっかりと組み合わさっていなければ、思ったように動かすことはできません。
ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは、移動する力を表す「ロコモティブ(locomotive)」からできた言葉で、体を動かすための能力が弱くなったり、足りなくなったりしていることを指します。ロコモは、進行すると「寝たきり」や「要介護」の原因になるとも言われており、年配の方が多い日本では、大きな問題となっています。
「私もロコモかも?」簡単テストでロコモ度をチェックしましょう
「ロコモ=高齢者」と思っていませんか。ロコモは年齢だけではなく、毎日の生活習慣や運動習慣などによっては、40代の人でも始まることがあります。まずは自分の「ロコモ危険度」を確認してみましょう。
ロコモ度テスト 立ち上がりテスト
まずは両脚でチャレンジ
①40cmの高さの台を用意
②両脚を肩幅くらいに広げる
③すねがおおよそ70度くらいになるように座る
④いきおいをつけずに両手を組んで立ち上がる
⑤3秒間そのまま
できなかった人はロコモ度3になります。できた人は片脚で挑戦してみましょう
次は片脚にチャレンジ
①40cmの高さの台を用意
②すねがおおよそ70度くらいになるように腰かける
②左右どちらかの足を上げる(軽くひざを曲げる)
④いきおいをつけずに両手を組んで立ち上がる
⑤3秒間そのまま
できたら次は30cmの台でチャレンジ! ここまでできたら、今のところロコモの心配はなさそうです。できなかったら、次は30cmの台を両脚で立てるか挑戦しましょう。できたら20cm、10cmと台の高さを下げ、どの高さまでできたかによって、ロコモの度合いを確認します。
ロコモ度判定
ロコモ度1 | 片脚で40cmの台から立ち上がれないが 両脚なら20cmの台から立ち上がれる | ロコモが始まっているかも |
ロコモ度2 | 両脚で20cmの台から立ち上がれないが 30cmの台から立ち上がれる | ロコモが進行している |
ロコモ度3 | 両脚で30cmの台から立ち上がれない | ロコモが進行して、普段の生活にも困ることがある |
ロコモ度テストには、このほか「2ステップテスト」や「ロコモ25」があります。興味がある方は、こちらのサイト「ロコモONLINE」をチェックしてみましょう。
ロコモにならないためには、毎日の食事と運動が大切
ロコモは、ひざはもちろん、足腰の骨・筋肉・軟骨・神経・じん帯・腱(けん)が弱っている状態ですので、「座る」「歩く」「立つ」などの毎日の生活で使う動作ができなくなっていきます。そうなると、普段の生活でも困ることがたくさん出てきてしまいますので、ロコモにならないように、予防することが大切です。
ロコモを予防するためには、毎日の食事と運動が欠かせません。食事は、筋肉や骨、軟骨をつくる成分「カルシウム」「たんぱく質」「軟骨成分」を取り入れた、バランスの良いものにすると良いでしょう。軟骨成分には、プロテオグリカンやⅡ型コラーゲン、グルコサミンなどがあります。また、散歩などの軽めの運動でもいいので、毎日体を動かすようにしましょう。